« 2006年2月 | トップページ | 2006年4月 »

2006年3月25日 (土)

半島を出よ

村上龍は前から好きな作家の一人だ。猟奇的なものや性倒錯ものから政治経済もの(?)子供向け職業指南本まで氏の取り上げるテーマはかなり幅広い。

その中でもいわゆる「政治経済もの」が好きである。古くは「愛と幻想のファシズム」とかであり、比較的最近の作品では「希望の国のエクスダス」あたりであろうか。

それぞれはフィクションであるが、その時々の日本や世界の政治経済状況が反映されていてそれぞれに面白い。

「愛と幻想のファシズム」などは今読み返すと少し劇画的な気もしないではない。でも「希望の国のエクスダス」などのリアルさは氏の綿密な取材と現代的教養の裏打ちによるものだと思う。

これら作品群を引き継ぐ最新刊「半島を出よ」を最近読了した。近未来のある日、北朝鮮のコマンドが福岡を占拠する。その状況に日本政府も日本人の誰もがまともに対応することが出来ない。

そしてそれと対比するように描かれる北朝鮮の兵士たち。彼らの置かれているあまりに苛酷な状況と、全てが弛緩し切ったこれまた異常な現代にっぽんの状況がこれでもかとばかりに繰り返し描かれる。

途中少し冗長過ぎるところもなくはないが、最後のホテルでの戦闘シーンなどそのリアルさにはすさまじいものがある。氏の想像力と表現力には舌を巻く。

そして最後に福岡と日本を(かたち上)救うのは日本のマイノリティたちであった。この設定は村上龍作品のどの作品にも通呈する根幹だと思う。ただし今回はあまり共感を呼べるマイノリティでないのがいつもと少し違うところか。

「希望がない」国で「希望」を求めた「希望の国のエクスダス」と同様、この小説にも「希望」を見出せない状況が描かれている。そして北朝鮮のような状況と対峙するとき、日本は日本人は一体どうするのか?

いやどうにもならないだろう、と作品は主張している。だからこそ自衛隊を!とか核武装を!とかいう主張ではもちろんない。しかし世界に対する無知さ加減とか感度の悪さに対する日本の姿は痛烈である。

ただし批判しているのでも皮肉っているのでもないところが、いつもの村上龍的バランスであろう。それが政治的なトピックスに取り上げられない所以。しかし北朝鮮をこんなにリアルに描いている現代小説もないのではないか。

上下巻の超大作ではあるが、一読の価値あり。カタルシスはイマイチだったが、彼のいう「情報小説」としての面白さは存分に楽しめると思う。読書になんらかの意味を求める人向けですかね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年3月21日 (火)

やらまいか!

株式会社ハマキョウレックスの社長大須賀正孝氏の自伝「やらまいか!」を読んだ。内容は自身トラック一台から始めて東証一部上場企業となるまでの軌跡をまとめたもの。前から気になっている会社で、実はここの株も少し持っていたりする。

とにかく痛快で面白い。仕事も会社経営もそんなに難しく考えることはない。売り上げからコストを引いてみる。その仕事は本当に「利益」を生んでいるのか?この徹底こそがビジネスの基本なのだと二度納得。

この会社の経営も実にシンプルでわかりやすい。

「ムダ取り」「段取り」「全員参加」

どうやったらコストを下げて利益を残せるのか。徹底したムダの排除と仕事の段取りを図る。そして管理職から現場の第一線までが愚直なまでにコスト意識を持ち、そして全員が経営に参加する。

要するにこれさえ出来ればビジネスは成り立ち、そして仕事や会社は永続してゆくのだろう。

日ごろ小難しいビジネス書を読んでなにやら勉強した気になってる人には是非お勧めしたい。なにも難しい言葉を使って説明することなどないのだ。

この社長いろいろと面白いことを言っている。この会社はサード・パーティ・ロジスティクス(物流関連業務の一括請負)ビジネスで成長しているのだが、氏は決してこんなわかりづらい表現をしない。川上と川下つまり「物流」と「流通」を繋げたものなんだから「物流通業」。これがおれたちのやっている仕事なんだ、と明快。

難しいことを難しくいうことは割合簡単なこと。難しいことを簡単に言えることこそインテリジェンスなのだ。そしてあらゆるものごとの要諦はいたってシンプルなものなんだと思う。

こういう会社の株こそ買ってそしてずっと持っていたい。ほんとに良い会社だと思う。これからも株価があがり続けるかは誰にもわからないが。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年3月 5日 (日)

フランツ・フェルディナンド

最近あまりCDを買わない。itunesでipodにダウンロードしてるから・・って訳ではもちろんない。音楽は大好きだしアルバム出れば必ず買うアーティストも少なからずある。

でも最近CD買わなくなったなあ。洋楽(って言い方しないよね最近)もJ-POPも全然チェックしてないし。だいたい周りで音楽聞いてる奴がいない。カラオケも行かないしね。行っても昔の曲が多いし。

この前「よし、最近何聞いてる?」って若いUKの兄ちゃん(同僚)たちに聞かれて「おーU2は買ったぞ」なんて言ってたら「他は?」「うーん」(沈黙)

そうなんだ!オレの音楽というか洋楽的バックグラウンド(大げさ?)はやはり「ベストヒットUSA(小林克也)」であり、深夜にテレ朝でやっていた「(再放送の)MTV」とかの時代に築かれたものなのだ。

もちろんその後もずーっと時々のCDを買ってはいるが、やはり「あの日あの時あの場所で♪」聴いていた音楽が血となり肉となっている。そんな感じがする。中学生から高校生、そして大学生頃かな。

であの時代は「洋楽=ホンモノ」で「日本のロック=演歌の延長」みたいな雰囲気があった。ボウイとか尾崎豊とか大好きだったんだけど、でもホンモノはあくまでU2でありガンズ&ローゼスでありボンジョヴィ(は違うか?)である、という位置づけだったと思う。

というかあの時はハードロック全盛だったんだよね~。モトリー・クルーとかスキッド・ロウ、シンデレラ、TNT、ヨーロッパ、ヴァン・ヘイレン、ホワイトスネイク、そしてジューダス・プリーストとメタリカそしてガンズ&ローゼス。

なーんでみんなあんなに「いきり立って」たんでしょうね?ハードロックやへビィメタルなんて今やすっかり廃れてしまったけど。ボンジョヴィのニューアルバムなんぞもう買わないし。

で話が長くなってしまいました。先日会社の同僚でUKから来ている若い兄ちゃんたち二人に「Franz Ferdinandのコンサートで武道館に行くんだけどどう行けばいい?」なんて聞かれたんで「あーだこーだ」と説明して時。

「フランツ・フェルディナンド??」とか内心思いつつ行き方を教えてあげた。なんだかゴテゴテの名前だな、どんな連中だっけ?ああ!J-WAVEでよくかかってる「What do you do you do you wanna♪」って歌の奴らね。

その後会社の帰りに渋谷のTower Recordsに行った時チェック。でこの前アマゾンで彼らのYou Could Have it so much betterというアルバムを買ってみた。いろいろ記事を読んだが最近のUKではCold Playに続く(?)超ビック・バンドになりつつあるらしい。

結論。結構良い。いや十分カッコいい。サラエボ事件で殺されたオーストリア皇太子の名前から取ったっていうバンド名といい、グラスゴーで結成されたバンドだっていうーバックグランドといい面白い。

なんというかショービズというか大資本レコード会社の「売らんかな的」作られたアーティストが横行する昨今で、こういうフツーの兄ちゃん的バンドが売れるってのは非常にうれしい。

もちろんゴリゴリの硬派バンドって訳は全然なくちゃんとポップ。なんだけど「売らんかなのスケベさは顔には出てない」というバランスがうまい。

何書いてるか自分でもよくわからなくなってきました(笑)

でもいいアルバム&バンドだと思いました。ということで。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

« 2006年2月 | トップページ | 2006年4月 »